観劇2005

2005年12月29日 (木)

乞局第九回公演『雄向葵(オマワリ)』 を観劇

051229_125401 13_1s_28 昨日は王子小劇場に乞局第九回公演『雄向葵(オマワリ)』 を見に行く。

役者友達の鈴木享が出ていて、また前回見た『汚い月』がとてもよかったので期待の公演。

これを見るまではこの1年の観劇作品を振り返れなかった。

さて。



乞局第九回公演
『雄向葵(オマワリ)』



【脚本・演出】下西啓正

【劇 場】王子小劇場(
http://www.en-geki.com/
【日 時】2005年12月28日(水)    19:30
           29日(木)14:00/18:00
           30日(金)14:00/18:00
           31日(土)14:00
(※カウントダウンはやりません)

【料 金】前売り:\2500/当日:\2800
     学生・喪服割引:\2000(劇団予約のみ取り扱い)

【出 演】
    青木 宏幸(
スロウライダー
    秋吉 孝倫
    小島フェニックス
    佐野 陽一
    下西 啓正
    三橋 良平

    五十嵐 操
    石井 汐
    鈴木 享
    二宮 アカリ(アンチ☆ヒール隊)
    古川 祐子

 

序盤からラストまでワクワク感を失わず、大好きな空気感。

乞局は今回4回目の観劇だが毎回共通するのは、

 

人と関りをできるだけ取りたくない感じの人達がしかたなく会話している感じ。

ジメジメとした空気感。

距離感の縮まらない人間関係。

陰鬱な感情の渦巻き。

暗く気持ち悪い幻想的じゃないほうのプチファンタジー(でも日常芝居)。

性格のいい人(大雑把な表現だけど・)が一人も出てこない。

 

という感じで、これだけ書くとちょっと芝居見たいと思えないかもしれないけどこれがどっこい、無茶苦茶面白い。

ホント「こいつ気持ち悪い女だなぁー、ブサイクで性格のねじれた女って、うわぁ・」みたいな印象を受ける登場人物ばかりが出てくるし(メインで)、現実では絶対関りたくないんだけど、そこが当事者と傍から見るのの違い。

お客で覗き見できるとそれはとても楽しい。

ちょと笑えたりもするくらい。

そこのさじ加減が非常に好きな劇団であり粋なところ。

 

また演者が笑いをとれるところも客に媚びずしっかり距離感を一定して保っているのも素晴らしい。

こちらは「汚い人間のやりとり」を「キレイな立場」から染まらず見てられる、この不謹慎な遊び。

それが乞局の正しい見方なのかな、なんて僕は思っています。

よく乞局見ると「現実の、人間の汚い部分むき出しで見せられるから不快な気分になる」なんて人がいるけどどうかなぁ?!

俺は現実の社会の方がもっともっと汚く見えるけど・。

乞局に登場するのは人間の「弱さ(強さとも言う?)」や「生きなきゃ」みたいなとこからくる「汚さ」だから。

それはある種の「人間味」と言えなくないスか?

違うのかなぁ?

これはアレか?自己肯定したいからか?

・・・んー、ま、うまく説明できないけど現実社会で感じるそれとは少し毛色が違うというか・。

見て不快になりながらもどこかいとおしく感じたり、共感してたりする気がするなぁ。

  

今回もそりゃあダメな人ばかりでまともな話じゃないですけど(いいイミで)、そのやりとりはホント生き生きしていて面白かったです。暗い人特有の投げやりな感じとか。

鈴木享も素晴らしかった。

今まで見た彼女の中で1番好きかもしれない(なんて言ったら本人に怒られるかもしれませんが・(笑))。

とんでもない馬鹿女で勘違い女でやりマンでしかもブザイクで、これ以上ないダメ女を凄い忠実に演じていた(褒めてます、コレ。本気で)!

・・・が、

本筋のストーリーとは全く関係ないとこにいたが(笑)。

なんだったんだ、あの役は・。

まぁ、いいか。

  

本編はラストに少し物足りなさを感じた。

いつも「気持ち悪さと後味の悪いラストながら何故かカタルシスを感じる」という乞局特有の持ち味は、オチの決めと完結感があったからだと思うが、今回はちょっと「え?・終わり?」みたいな感じだった。

そのラストからもうひと展開見たかった気がする。

  

というわけで来年の次回作にも期待。

そろそろブレイクしてしまいそうな予感を感じつつ。

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2005年12月27日 (火)

クリスマスは劇鑑賞

クリスマスは劇鑑賞

クリスマスはミクシィ仲間のマークさんが出演する劇を見るためキリスト教の教会の催しへ。

ゴスペルあり讃美歌あり、いかにもキリスト教のクリスマスのお祝という感じだったなぁ。

僕はキリスト教じゃないですけど幸せなフインキを堪能できました。

マークさんありがとでっす。

カツラ似合ってましたよ〜(^O^)。

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2005年12月25日 (日)

TEN number's Ct(テンナンバーズ カラット)公演 『TOY SOLDIERS ~同潤会青山アパートへ…神宮前4丁目の奇跡~』を観劇

1134371034_200x301 ええと、メリークリスマス・・。

まあそんなことはアレなんですが・、昨日はザムザ阿佐ヶ谷に芝居を見に行って来ました。

3年前にお世話になった天澤朋さんのプロデュース作品ということで色々キンチョーしつつの観劇でした(笑)。

  

「TEN number's Ct」(テンナンバーズ カラット)2005年Xmas公演 in ザムザ阿佐谷『TOY SOLDIERS ~同潤会青山アパートへ…神宮前4丁目の奇跡~』

【演出】天澤朋
【戯曲】ヒノユメ ツキハ
【演出助手】栗原まなみ
【舞台監督】染谷樹(ソマリ工房)
【舞台美術設計・作成】ソマリ工房
【照明・音響】キーノート・プランニング
【出演】
加茂洋充、江原しおり、佐藤弘貴、栗原友、中村和正、関口真奈美、坂巻寛治、森口美香、晴野青児、小佐野直美、如月せいいちろー、高橋哲雄、宮澤月菜、羽嶋佳奈
【ボイストレーニング・発話指導】木下幹基
【振付】柴千惠子(チエコ・シバ ダンスシティ)
【振付助手】入江咲
【楽曲・効果音・HP作成】香田泉
【映像製作】原田知巳
【広告デザイン】キネコ
【写真】宮澤月菜
【制作】followfollow

  

物語は今はなき原宿の同潤会青山アパートを舞台にかつてそこに住んでいた青年の生き別れた義理の父親とのエピソードを中心に、その青年の同窓生達の群像劇、また戦時中そのアパートに住んでいた若い恋人達の悲劇を綴ったもので、歌あり踊りあり、なんとも盛りだくさんな内容でした。

  

セットもしっかり同潤会青山アパートを再現していてザムザというぬくもりスペースもあいまっていいフインキを醸していました。

最初の映像での効果といいつかみのフインキ作りはばっちりでしたね(いい劇場ですね、ザムザは、木のぬくもりがあって)。

天澤さんお見事。

  

ただそれだけにお客さんとしては惜しいなぁと思う部分がいくつか・。

中心となる根幹のエピソードが途中の群像劇や過去の物語を繰り広げている間に印象が薄くなってしまい、中心のエピソードに戻った時に主役の子の喜びや悲しみがすごく遠いものに感じられて感情移入が難しかったこと。

最初の主役の子への入りがよく、凄く近くに感じられた芝居だっただけに終盤になって感じたあの「舞台との遠さ」はもったいなかったように思う。

主役の加茂洋充君という役者がとても好印象な演技だっただけに・・。

  

あとちょっと長かったかなぁ・、単純に。

<2時間半超えたの見たのは今年はナイロンくらいかな・。>

もう少しテンポよく、視点を絞った芝居だったとしたらもう少し見やすい芝居になったのかも・、偉そうにナンデスネ・。スンマセン・・。

  

しかし、一人一人の役に対する天澤さんの思いというのはやはりすごいものがあるなあ、と改めて。

ここまで登場人物一人一人に入れ込める演出家もなかなかいないでしょう。

それが幸か不幸かなんとなく、物語中、書き手から役への「情け」みたいなものを感じたりすることがあって、いいイミでも悪いイミでも天澤さんの人としての優しさを感じた150分でした。

そして若い世代と若い芝居に、少したじろぎながら、自分のおっさん化にちょっぴり不安をおぼえる、そんな観劇となりました。

  

色々ひっくるめて、これも天澤さんからのクリスマスプレゼントと受け取っておきます。

ありがとうございました。

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2005年12月24日 (土)

グリング第12回公演『海賊』を観劇

Kaizoku これも先週見た芝居ですがもうさすがに書かなあかんやろということで。

しかし、芝居関係のライターさんとかホント凄いよね、僕には見たその日の内にパパッと感想書くなんてことは出来まへん、

脳天パーなもんで(^^ゞ。

 

今回の『海賊』は前回トップスで見た『カリフォルニア』に引き続き2回目のグリング公演です。

『カリフォルニア』がんもう超超ショックと感銘を受けた素晴らしい作品であったので期待はもの凄いものがありまして、

『いかんいかん、こんなにも期待を膨らませて行ったらもう相当面白くないと満足できないぞ、程々にしよう』

などと思っていたりしたわけですが、やはり高まる期待は抑えられずどうしよう〜とか思っていたのですがギャフン。

そんな心配は無用も無用。

またしても素晴らしい作品をシレッとやって見せられてしまうのでした(実際どうかはしんないよ^^;)。

 

いやぁ、面白かった。

上質で質の高い(同じイミか・)、特上レベルの芝居。

同じ世界の人間から一般の人、学生からおじいちゃんおばあちゃんまですべての人に観劇を薦めたい、そんな芝居でした。

今僕が誰か不特定多数の人に『伊藤さん、いい芝居ってないですかね?』っ て聞かれたら「グリング見なさいな」って答えますね、即答で。

そしておそらく芝居を知っている人程、あの作品の成り立ちがいかに高密度で力強いかを感じ取れる様な気がします。

なかなかああは出来ないんです、凡人には。

今のワタシには。

それだけに今の演劇界にあって、ホンのレベルと役者のレベルが高い次元でぶつかりあい、見事なカタチをなしている作品が見れた時、感情の渦がなだれ込んで来て涙となるのです。

ああいう涙が客席で流せること、本当に幸せなことだな、と感じました。

 

さてお話は、あるけして栄えていない街の床屋を舞台に織りなされる人間ドラマ。

床屋の主人と都会から帰ってきた主人の兄のドラマを中心に自分の居場所を失ってしまった人達の心の渦が空気を染めて行きます。

これ以上のあらすじは割愛〈きっとこの作品はDVD化されると思いますし、見てない方は是非出来るだけ情報のない状態でご覧になってみてください〉。

もう30代も半ばにさしかかった兄と弟の現実的な距離間がなんとも心に痛かったです。

しかし、そういう距離間だからこそ産まれるドラマもあるのだなぁ、と。

風鈴工房の笹野鈴々音さん、こんな女優さんがいたとは・。

彼女以外誰も出来ない演技。

カルチャーショックでした。

今作で改めて人が「生きていく」ことのなんたるかを考えさせられ・・・、うーん、いや、なんだろう、見ていて素直に人をいう生き物をいとおしく感じる、そういう感覚を呼び戻される、そんな作品でした。

 

次回作は来年末(遠いなぁ・)、紀伊国屋ホールだそうで、グリング、遠い存在になっていくなぁ・、と。

複雑な気持ちです。

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2005年12月20日 (火)

モダンスイマーズ番外公演『さよなら西胡クン』を観劇

モダンスイマーズ番外公演『さよなら西胡クン』を観劇

何時までも感想書かないわけにはいかん!ということで。

モダンスイマーズは前回のワンオア8の野本さんが出た番外公演しか見てなくて今回は2回目でした(本公演見ておきたかった(;_;)、悔やまれる・)。

もう公演は終了しているのでバンバンネタバレです。

  

場所はあるはなれの小屋のような所。

同じ高校の野球部だった同級生で今は同じ草野球チームの男達がたむろする場所。

男達は皆野球の道は諦め、それぞれの日常を過ごしている。

月に一度の草野球の試合が彼らの繋がりだ。

明日は高校時代予選決勝で負けたチームOBとの対戦。

人手の足りない彼らは万年補欠だった「のび太」を人数合わせで誘う。

・とそこにチームで一人才能があってプロの1軍にあがった西胡が現れて・・・。

 

過去にこだわり、割り切ろうとしても出来ない男達の話。

西胡の出現で心の奥に隠していた嫉妬や憤りが溢れ出し、過去の出来事を責め合ってしまう。

何かを精算することで、他人のせいにすることで、今や過去の自分を正当化したい、現実との折り合いを付けたい。

そんな気持ちの渦が空気を支配し、話は進んでいく。

 

男の群像劇を書かせたらモダン蓬莱、と誰かが書いていましたが、確かに。

登場人物一人々の心の内面の渦巻、変化を直球変化球使い分け、実に深く、切なく描いていました。

「どうあがいても変えられないピークを過ぎた自分」が過去の真実を変えたいと、今の自分に見合った姿に、また正当化出来る姿にしようとする様が、心に痛く、切なく刺さりました。

人間て割りきれないんですよ、弱いから。

過去の自分を今の自分をいくらどう曲げたって、現実の重みは明日の朝、起きたらやはり重いのです。

  

ラストで「なお」が西胡に「ずっとお前がいなければ、お前さえいなければと思ってたんだよ。」と告白するシーン。

決別の意ともとれるコトバを伝えたなおと、またそんななおに「表に出て俺の球を受けろ、そんで後悔しろ」と言った西胡の気持ち。

もうこの二人、会うことはないんだろう。もう同じ世界にはいない二人。

やさしさとも厳しさとも言えない感情から産まれるそのせつないやり取りに、男ってこういう生き物だよなぁ〜、と。

これもある人間と人間の繋がりの形なんだろうな・(友情なんて安っぽいコトバでは足りない)。

あー、あの最後のシーンはなおと西胡の別れでありまた出会いでもあったわけか・・。

あー、やられた・。

  

そんな余韻の芝居でした。

  

書き忘れたけど津村さんが最高に面白かったなぁ。

あんなにコミカルでなおリアリティを失わない・。

凄い!!

いったいその発声はどこで会得したんですか?

最高です、惚れ直しました。

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2005年12月19日 (月)

LCPプロデュース公演『GAKUYA』を観劇

昨日新宿スペース107でラストクリエイターズプロダクションプロデュースの『GAKUYA』を観てきました。

 

最初こんなたくさんのキャスト出て大丈夫かよ、と思いましたが流石中津留さん、という感じで最後は見事にまとめてました。

かなり政治的なメッセージバリバリな作品でして(中津留さんは「そんなこと一言も言ってない」と否定してましたが^^;)、僕としてはこの場では感想言いにくいんですが(政治的な発言NGなので)、ギリギリ言えるとしたら、この芝居将来的に現実になっちゃうかもよ、ってことかな・。

芝居と現実ってどっか惹かれ合っちゃうとこあるからさぁ。ホント恐いなぁ。

あと現実と違うのは小泉首相が靖国参拝に対しての・・・を国民や・・・に〜〜〜してないから・・・が・・・になってるわけで・・(だから言えないっての(>_<)!)

 

あの芝居の「表」だけ見たとして言うと『あんな劇団も設定もありえねぇよっ』てのはちょっと言いたいけど(まぁそれ承知でやってるんだろうけど)、まぁ演劇の世界知らないお客さんがアレ鵜呑みにしてくれたらそれはそれで面白いかな、と無責任に思ってみたりしました。

あー、でも台詞入って たら舞台立てるとか思われても嫌だけど^^;。

 

終演後、カーテンコールで主役の男の子のファン(かな?)が凄い声援を投げ掛けてました。

満喫したんでしょうね、きっと。

あの脚本であの客層も楽しめるものを創るってのは・、なんとも『プロの大人』の仕事だなぁ、と。

そしてそれにいたる過程や苦労を想像して少し涙が出ました。

 

いや、実際熱演でしたよ、主役の子。俺が偉そうに言うのも何ですが。アレやられたらそりゃ感動せざるをえないですね、ええ。

でも清水ゆみちゃんの見せ場が少ないのはちょっとファンとしては不満でございます、なんて。

 

トラッシュの皆さん本当に本当に、お疲れさまでした。

特にひわだこういちさん、あのおむつ姿で舞台に堂々と立っている役者を見たのはナイロンのみのすけさん以降初めてです(^.^)。

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2005年12月17日 (土)

モダンスイマーズ番外公演『さよなら西胡クン』を

今日見て来ました。

お薦めします、熱烈に。

津村さんという役者に改めて惚れた80分でした。

感想はまた後日。

  

あとスズナリのグリング公演『海賊』も超超お薦め!

ああ、役者やっててよかった。

役者のレベルの高さを深く感じとれるから。

いや、脱帽です。

感想を不用意に書けない程に・・。

  

そういや観劇感想がだいぶたまってるので頃合を見てどかっと書きます。

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2005年12月 5日 (月)

ハカセのレストラン公演

役者友達のハカセくんの出演する芝居『花、走る』を見に六本木まで行ってきました。

感想は・・、特にありません^^;。

ハカセは人間ではない役だったんですが一番人間臭かったです。

付いてきたフードが小さなツナサンドだけで、今までのレストラン公演の中でもっとも粗食な公演でした^^;。

公演中おなかなってた・。

さてバイトです。 はぁ・・。

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2005年11月27日 (日)

零式第7回公演『ブリキ・ゴーレム』を見る

王子小劇場で役者友達の西川方啓君の出演する芝居を見に行って来ました。

零式という劇団の芝居は今まで見たことがなかったんですが、いやぁ、なんとも不思議な空気感の芝居でした。 時間軸が前後するつくりの作品は最近よく見る気がします。 最後の方で繋がって『ああ〜、なるほど』と。

んー、・・、ごめんなさい、後はあんまり感想が出てきません^^;。

西川君は生きてるんだか死んでるんだか分からない役で、彼の十八番な感じがしました。 西川君はこういう生命力の隠れた役がホント巧いなぁと思います。

それにしても最近は・、芝居を見ない週はないなぁ^^;。

嬉しいんだけども、懐が寂しいわぁ・・。

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