乞局第九回公演『雄向葵(オマワリ)』 を観劇
昨日は王子小劇場に乞局第九回公演『雄向葵(オマワリ)』 を見に行く。
役者友達の鈴木享が出ていて、また前回見た『汚い月』がとてもよかったので期待の公演。
これを見るまではこの1年の観劇作品を振り返れなかった。
さて。
乞局第九回公演
『雄向葵(オマワリ)』
【脚本・演出】下西啓正
【劇 場】王子小劇場(http://www.en-geki.com/)
【日 時】2005年12月28日(水) 19:30
29日(木)14:00/18:00
30日(金)14:00/18:00
31日(土)14:00
(※カウントダウンはやりません)
【料 金】前売り:\2500/当日:\2800
学生・喪服割引:\2000(劇団予約のみ取り扱い)
【出 演】
青木 宏幸(スロウライダー)
秋吉 孝倫
小島フェニックス
佐野 陽一
下西 啓正
三橋 良平
五十嵐 操
石井 汐
鈴木 享
二宮 アカリ(アンチ☆ヒール隊)
古川 祐子
序盤からラストまでワクワク感を失わず、大好きな空気感。
乞局は今回4回目の観劇だが毎回共通するのは、
人と関りをできるだけ取りたくない感じの人達がしかたなく会話している感じ。
ジメジメとした空気感。
距離感の縮まらない人間関係。
陰鬱な感情の渦巻き。
暗く気持ち悪い幻想的じゃないほうのプチファンタジー(でも日常芝居)。
性格のいい人(大雑把な表現だけど・)が一人も出てこない。
という感じで、これだけ書くとちょっと芝居見たいと思えないかもしれないけどこれがどっこい、無茶苦茶面白い。
ホント「こいつ気持ち悪い女だなぁー、ブサイクで性格のねじれた女って、うわぁ・」みたいな印象を受ける登場人物ばかりが出てくるし(メインで)、現実では絶対関りたくないんだけど、そこが当事者と傍から見るのの違い。
お客で覗き見できるとそれはとても楽しい。
ちょと笑えたりもするくらい。
そこのさじ加減が非常に好きな劇団であり粋なところ。
また演者が笑いをとれるところも客に媚びずしっかり距離感を一定して保っているのも素晴らしい。
こちらは「汚い人間のやりとり」を「キレイな立場」から染まらず見てられる、この不謹慎な遊び。
それが乞局の正しい見方なのかな、なんて僕は思っています。
よく乞局見ると「現実の、人間の汚い部分むき出しで見せられるから不快な気分になる」なんて人がいるけどどうかなぁ?!
俺は現実の社会の方がもっともっと汚く見えるけど・。
乞局に登場するのは人間の「弱さ(強さとも言う?)」や「生きなきゃ」みたいなとこからくる「汚さ」だから。
それはある種の「人間味」と言えなくないスか?
違うのかなぁ?
これはアレか?自己肯定したいからか?
・・・んー、ま、うまく説明できないけど現実社会で感じるそれとは少し毛色が違うというか・。
見て不快になりながらもどこかいとおしく感じたり、共感してたりする気がするなぁ。
今回もそりゃあダメな人ばかりでまともな話じゃないですけど(いいイミで)、そのやりとりはホント生き生きしていて面白かったです。暗い人特有の投げやりな感じとか。
鈴木享も素晴らしかった。
今まで見た彼女の中で1番好きかもしれない(なんて言ったら本人に怒られるかもしれませんが・(笑))。
とんでもない馬鹿女で勘違い女でやりマンでしかもブザイクで、これ以上ないダメ女を凄い忠実に演じていた(褒めてます、コレ。本気で)!
・・・が、
本筋のストーリーとは全く関係ないとこにいたが(笑)。
なんだったんだ、あの役は・。
まぁ、いいか。
本編はラストに少し物足りなさを感じた。
いつも「気持ち悪さと後味の悪いラストながら何故かカタルシスを感じる」という乞局特有の持ち味は、オチの決めと完結感があったからだと思うが、今回はちょっと「え?・終わり?」みたいな感じだった。
そのラストからもうひと展開見たかった気がする。
というわけで来年の次回作にも期待。
そろそろブレイクしてしまいそうな予感を感じつつ。
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