『晩春』と『秋刀魚の味』の2本立て
早稲田松竹にて。
1月2日までの上映だったので急いで実家から駆けつける。
この2本は小津作品の中でも大好きな2本だったので是非一度映画館で観たい、と思っていました。
こうして2本続けて観ると非常に類似点の多い作品なのですが、『晩春』の原節子の役の父親に対する強烈な想いが印象的なだけに、『晩春』は「娘」の、『秋刀魚の味』は「父」の作品という印象が残ります。
どちらの作品でも「父」を演じる笠智衆さんの感情を抑えた朴訥で淡々とした語り口が僕は好きで、笠さんの芝居を観ることは小津作品を観る時の一つの楽しみなのですが、こうして改めてスクリーンで見直すと、笠智衆さんという役者が表面的には地味で朴訥ながら、表現としてはとてもユーモラスで感情豊かだったんだということを思い知らされたのでした。
まるで「何にもしていない」「何の計算もない」ように見せながらしっかり仕掛けていく役者としての遊び心を垣間見て、改めてすごいなぁ、と。
「晩春」の笠智衆さんと杉村春子さんの役の会話シーンなんて早稲田松竹に爆笑が何度も沸き起こっていました。
原節子さんのいつも笑顔で柔らかな物腰でありながらちゃんと感情の波を感じさせるあの感じやあのキッと刺すような視線の力、美しさ!
中村伸郎さんの皮肉好きで偉そうな態度ながらどこか情を垣間見せるあの感じ。
東野英治郎さんの酔った芝居のあの可笑しさと哀しさ。
挙げればキリがありませんが、とにかく出てくる役者一人々が魅力的すぎる!
私、4時間唸りっ放し。
役者業を志す者でこの2本を観ていないという方は是非!作品を楽しむと共にこの、役者の芝居に唸らされまくるこの感動を味わってもらいたいと思います。
映画館で観られて早稲田松竹に心から感謝。
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